葉の舟    2010
photo: Kai Tirkkonen
柳の枝、材木、写真画像、ガラス玉、鏡、アクリルボード、石、他
葉:L.680cm, W.150cm, H.170 cm
設置面積:W.600cm x L.1500cm サイズ可変
KulttuuriKauppila Art Centre and the Culture Tradition Path of Ii, Ii, Finland
[ART Ii Biennale of Northern Environmental and Sculpture Art 2010]
急流を木の葉の舟が流れて行く。しぶきがかかろうとも沈むことなくー。周囲の大国に翻弄された歴史を持ち、寒冷な気候にも耐えてきた、フィンランドの人々を葉の舟に象徴させた。

舟の左右の石の並びは、日本語「きこえるかい?」、同じ意味のフィンランド語「Kuuluuko?」と書かれている。自然から人間への、歴史から現代人への問いかけであり、また、フィンランド人と日本人同士の呼びかけでもある。
photo: Kai Tirkkonen
石の文字「きこえるかい?」の一部
石の文字「Kuuluuko?」の一部
葉の上の水滴」を模したオブジェの画像


このビエンナーレ開催地であるIiの人々や、私の作品が敷地内に設置された築1892年の建造物 (現KulttuuriKauppila Art Centre)に関わる人々の、時の流れが表されている。


豊かな森の松の木からタールを製造し、Ii川に流して取引場へ運ぶ、川と共にある生活。
KulttuuriKauppila Art Centreが小学校だったころの児童たち。
この施設は、学校閉鎖後放置され、火事によって崩壊。
3人のアーティストの努力によって、2006年アートセンターとして再建され、このビエンナーレ開催のように、文化発信の拠点となる。


底面が鏡になっているこの水滴に、かつてのIiの人々や小学生、現在のアートセンターのメンバーや、私のワークショップに参加した子供達の姿が並ぶ。そして今後、作品をのぞき込む観客も、このヒストリーに加えられていく。

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