廃墟から    2011
木 石 麻ひも 現地の風景
L.2000cm x W.300cm   サイズ可変
Nevelsfjord, Kjerringoy, Bodo, Norway
[
KUNST I NATUR BIENNALE 2011]
ノルウェイ中部、北極圏内に位置するシャリンゲイという街の、フィヨルドの特色ある風景のなかにアーティスト達が滞在し、自然から調達した材料によって作品を制作した。作品は一般公開された後、時の経過とともに再び自然に還っていくことになる。

私は、そびえ立つ山々に囲まれた草原に、木や石で廃墟をつくった。それは、地震と津波と原発事故によって激変した故郷、東北の光景だ。この廃墟を一望すると、"わたしの声がきこえますか?"いう意味のノルウェイ語 "HORER DU MEG?"という文字の並びとなって現れる。
あの大災害後の静寂のあと、人間が生物として大いなる自然に向き合い、そして語りかける、廃墟からの声 ー HORER DU MEG? きこえるかい?

M9.0の地震と津波は、人間にとっては暴力的、破壊的であり、街のすべてが津波に押し流されていく光景は、人間が、地球の表層にささやかに生きている生物であることを見せつけた。しかし、この地震と津波は、大きなサイクルで繰り返す地殻変動に伴う自然現象に過ぎない。人間の営みとはなんら関係なく廻っている。
人類は万物の頂点に君臨しているのではない。これまでの生き方、考え方を根底から見直す節目にいる。この地球環境に対して、挑んだり組み伏せたりするのではなく、しなやかに添う関係へと ー。
接合写真
>> KUNST I NATURE 2011 すべての作品
Copyright (c) MARUYAMA Yoshiko, All rights reserved.