ヒトとウルシ 打々発止の歴史
2010
撮影:会津・漆の芸術祭
伐採後のウルシの木 鈴 写真画像 布 プラスチックシート 針金 他
L.3000cm x W.300cm x H.300cm サイズ可変
二十間蔵/喜多方、福島
[会津・漆の芸術祭 2010]
ヒトは漆液を得るためにウルシの木を掻き、その“返り血”を浴びてかぶれを負う。根気の要る手作業労働に見合わないほどに、わずかな漆液しか得られないにもかかわらず、縄文時代から途切れることのなかったヒトとウルシの関わり。漆に魅せられ、粛々と労働と創造の営みを続けてきたヒトと、全身に傷を負いながら樹液を提供したウルシの、双方に感謝し、喝采を送りたい。
撮影:丸山常生
ウルシの木が立つ場を“現在”と定め、過去から未来への時間軸の帯が天井にのびる。帯の表面には、現在最古の出土品である9000年前の櫛からはじまり、現在までの漆を使用した名品の数々が連なる。“未来”の帯にも、これからのヒトの創造力の名品が並ぶだろうか?
帯の画像部分
漆液を採り尽くして切られたウルシの木の根元には、森に生きていた頃のウルシの木と、漆のしずくを身に受けながら掻き、削り、塗り、描き、装飾するヒトとの、打々発止の真剣勝負シーンが渦を巻いている。
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