かつての絵画作品「時の文目」は、人類史を連続する唐草文様で表現した。ひとつの文明/ひと区切りの時代を、文様のひとつの弧(Arc)のかたちに託してー。それをインスタレーションで表現したのがこの作品。 世界の民族紛争の報道から抜き取った肖像が、微風にもそよぐ薄布に転写されている。肖像は裏から見ると逆の立場の人間にすりかわる。被害者が同時に加害者となりうること、あらゆる事柄の真実がひとつではないことを象徴する。
1998
写真画像、布、 竹、 ネット、ワイヤー H.660cm, W.390cm, L.1100cm 板橋区立美術館/東京 [加害/被害] Art in Tokyo 10