誰に教わることもなく、一連の手順を一途に実行して見せた8匹のアゲハが示したのは、”生きる”姿だった。そして9匹目の存在。1匹のみ落下によって命を落としたことは、野生のたくましさの影としてある命の脆さも示し、その1匹によってこの世の真実を見た気がした。
長いサナギのときを経て、殻を破り、羽をつけて現れたアゲハが意を決したように飛び立ち、澄んだ空に消えたとき、その姿は、アゲハが身をもって人間に示した“生まれ変わる手本”のように思える。
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