サナギのとき 1308    2013
撮影:丸山常生
木、麻ひも、ベリーの原、森、山
L.600cm x D.180cm x H.220cm サイズ可変
Yttermark, Kjerringoy, Bodo, Norway
[Kunst i Natur Biennale 2013
]
アゲハ蝶の生態は、いつも驚きと不思議に満ちている。とりわけ不思議なのが、蝶になる直前のサナギの時期だ。それまでとは打って変わって死んだように無反応になる、ファラオの棺のような姿。その内部では、全く目的が異なる体に生まれ変わるための、細胞の死と生成の同時進行、つまり、幼虫の体をどろどろに解体する大改造が行われているらしい。
シャリンゲイのふたつの山並みの間に静かに横たわるサナギは、眠りと瞑想を経て、いつか生まれ変わる。その姿に、3.11以降、変わろうとしている私たち人間を重ねてみる。
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