地の脈 #2511-KR

私たちが生きている地球の表層は、地殻変動や気象的現象、戦争や繁栄などのヒトの営みによって、その姿を変える。
しかし、変わりゆく地表の下に意識を向けると、そこには幾層にも深さを変えて地下水が流れている。

想像してみる。地下水脈に向かって地球上の各地から触手のようなものが伸び、その地域にとって適する水脈を探し当て、地域性を醸成している様子を。そこでは、その地に合った動植物が生育し、地野菜や地酒が生みだされ、人も、生きている地の水や食を血肉として、地域固有の精神文化を育んでいる。

相手に近しいものを感じる時、それが遠く離れた地の人であっても、同じ水脈を共有しているのかもしれない。

 

 

[精神の〈北〉へ vol.15 -それぞれの北 ひとつの共鳴-]
喜多方展として、ギャラリー金田の展示と同時開催。
季節ごとの祭事を丁寧にとり行う二間続きの日本間にて、その雰囲気を保ったまま現代アート作品を添わせるように展示した。開催中には十五夜の晩があり、月にちなむ作品が呼応した。