精神の〈北〉へ vol.10 ロヴァニエミ美術館でスタート
精神の〈北〉へ vol.10:かすかな共振をとらえて
ロヴァニエミ美術館(ロヴァニエミ市、フィンランド)
2019年9月21日~2020年1月26日
「地球の北方に住む人々には、国や民族の違いを超えて、何か共通の精神性があるのではないだろうか?」
2010年にフィンランドの北方地域であるラップランドを訪れたとき、このように直感した私は、この探究心を原動力に、2011年からプロジェクト「精神の〈北〉へ」に着手しました。東北地方と世界の北方のアーティストを要とする交流により、世界の北方人同士に共通する精神性「北方的精神」を探り続けています。これは、東北地方に深く関わる探究と、グローバルな視野とを組み合わせ、北方論を共に織り継ぐ人類としての恊働をめざすものです。それによって、3.11で多くを失った東北人のアイデンティティを見出す応援になることを願っています。
2015年、「精神の〈北〉へ」vol.5 は福島県会津地方にて、東北とフィンランドからのアーティストによる交流展を開催し、観客を交えた深い共感を得ました。そして日本とフィンランドの修交100年にあたる2019年の今年、先の交流をさらに深化させるべく、ラップランド地方の中心都市ロヴァニエミ市にあるロヴァニエミ美術館での開催が実現しました。
フィンランドの北方ラップランドには、自然との精神的な深い結びつきや被征服の歴史、国土における位置や気候など、東北との多くの類似を見ることができ、向き合うべき相手です。これまでの福島での活動との合わせ鏡のように、ラップランドの土地と人々、精神性を感受し、現地の作家との理解を深める滞在活動を行いました。
この交流と4ヶ月に渡る開催のなかで、「北方人に共通する精神とは何か」「自分たちとは何か」を、さらに確信する機会になるでしょう。
今年11月と来年1月には、パフォーマンスや参加アーティストのトークが予定されています。
開催中の催しの詳細は美術館のサイトへ
Korundi, Rovaniemi Art Museum
Lapinkävijäntie 4, 96100 Rovaniemi, Finland
https://www.korundi.fi/en/Rovaniemi-Art-Museum
丸山の作品は作品ページをご覧ください。
インスタレーション:「森羅万象というあなた #1909」
絵画:「蝶になる」シリーズ