森羅万象というあなた#1705
うっそうとした森を背景に建つかつての中学校校舎では、屋外に面した窓をとおして、ここが生き物のワイルドな気配に包まれているのが感じられる。この校舎の2教室に渡って設置した作品は、人間が人間以外のあらゆる存在と向き合い、もっと理解し融和しようとする意思表示である。作品の「人間」が対する「相手」は、動植物だけでなく、地霊や自然の神様や天体も含む。それらは大らかに「人間の世界」を向きながら、教室の外壁を越えて外界とつながり、そこを取り巻く濃厚な森羅万象の気配を作品世界に招き入れている。