地表の肌理#0705
飛行機から俯瞰する眺めは、緻密な織物のように、色合いや肌理の微妙な変化を見せる。上空から「染み」に見える色に近づくと無数の街や集落であることがわかり、そこに棲むヒトの存在は微細に感じる。しかし、そのささやかな生き物のありようが深く豊かなら、それを内包して広がる地表は美しく感じるだろう。
とある「染み」に降下してみると、そこに棲む人間が築いた街やコミュニティー、歴史や文化が、互いの攻撃によって瓦礫と化していたなら、それは不寛容の果ての姿。怨讐や悲しみを越えて向き合うために、そこから歩み出た人によって、理解への道はつくられるだろうか?人間同士の差異は、互いが持つ背景のわずかな違いであり、この石膏破片の並びの違い程度に過ぎないのだから。
(同じ意味を表す2つの異なる文字、英語やアラビア語などを、石膏片の並びで表現している。)