地表の肌理#0801

飛行機から俯瞰する眺めは、緻密な織物のように、色合いや肌理の微妙な変化を見せる。上空からは“染み”に見える色に降下して近づくと、無数の街や集落であることがわかり、そこに棲むヒトの存在がささやかなものに感じる。しかし、そのような生き物のありようが深く豊かなら、それを内包して広がる地表は美しく見えるだろう。
とある“染み”に降下してみると、そこに棲む人間が築いた街やコミュニティー、歴史や文化が、互いの攻撃によって瓦礫と化していたなら、それは不寛容の果ての姿。怨讐や悲しみを超えて向き合うために、そこから歩み出た人によって、互いの理解への道はつくられるだろうか?人間同士の差異は、互いが持つ背景のわずかな違いであり、この石膏破片の並びの違い程度に過ぎないのだから。

(「どうしたら互いにわかりあえるのだろう?」と表す2つの異なる文字、この作品の場合は日本語とアラビア語を、石膏片の並びで表現している。)