寄る辺なき時代の窓に#0601

ステンドグラスに神が表現されていた頃、神という概念が人々の精神を束ねていた。現代、多くの人々にとって宗教が精神生活のよりどころではなくなり、それぞれの欲求の元に生きている。そして、共通項よりも互いの差異の方が浮き彫りとなり、理解を困難にしている。しかし、同じ人間であること、人類としてのヒストリーを共有していることに立ち返るなら、互いの理解は難しいことではないのではないか。

前年の[Between ECO & EGO 2005]展での作品から展開。
「現在」に見立てた窓を、前後面から新生児と人生を全うした老人の眼が見つめる構図にした。